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2025.10.7 建築視察ブログ

万博をめぐる時間と大阪の建築を見つめて


出張の合間に訪れた大阪・関西万博。
2010年の上海万博以来となる万博体験でしたが、今回の大阪万博では会場を包み込むように広がる「大屋根リング」が強く印象に残りました。
リングの構造は、日本伝統工法の美しさを想起させつつ、会場全体の世界観をやわらかく包み込んでいました。単なる屋根ではなく、会場を一つの物語としてまとめ上げる“境界であり背景”として機能しているように感じました。
1970年の大阪万博をリアルタイムで体験できなかった世代として、万博という「この瞬間しか味わえない出来事」に立ち会えたことは非常に貴重でした。
時代のエネルギーや技術、そして建築が交わる場の力を肌で感じる時間は、設計に携わる者として改めて大きな刺激を受ける機会となりました。

万博の後には、いくつかの大阪の建築を巡りました。
中之島界隈では、黒い外観が印象的な大阪中之島美術館や、こども本の森 中之島を訪問。どちらも建築が人と文化をつなぐ装置として見事に機能しており、都市の中での居場所のあり方を考えさせられました。
また、開発が進むグラングリーン大阪や、完成から30年を超えてもなお力強い存在感を放つ梅田スカイビルも見学しました。
新旧のランドマークを対比して見ることで、都市が変化し続けるダイナミズムをより立体的に感じ取ることができます。
万博という特別な非日常と、都市の中にある日常の建築。
この二つを行き来し眺めた大阪は、あらためて「建築とは何を生み出し、どう時間とともに生きていくのか」を考えさせてくれる場所でした。














































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