里山の家

札幌市の里山である高台に土地を購入されたクライアントは、都市部で働きながらも北海道の自然を存分に享受する暮らしを望んでいました。

200万人近い人口を抱える都市である札幌市は、中心部から車で30分も走れば海、山、森へと辿り着くことができる自然に恵まれた街です。

昨今はインターネット技術の向上によりリモートワークできる範囲も増えた事で、今までより市街地から離れた場所でも仕事が成り立つ場合も増え、今まで住宅が在るべきと考えられていた立地から段々と自由になってきていると感じます。

郊外であることから通常の住宅敷地よりも広々とした敷地の北側に建物を寄せ南庭とし、建物からは大きく窓で庭へと開く事により敷地を一体的に楽しむことができる配置としました。

大きな窓から庭越しにスキー場が望める位置をメインのリビングとし、薪ストーブの火と共に北国らしい最高のビューポイントになります。

内部はワンルームLDKの1階が大きな吹抜により2階とメゾネットのように繋がり、屋根型を現したおおらかな空間が家族を包みます。

エントランスにはアウトドアでの活動と利便よく緩衝する大きな土間を持ちます。洗面・洗濯室はファミリークロゼット、アイロンスペースを兼ねた家事と生活を合理的に一体化したスペースとしました。

各素材はざっくりとした粗さのある素材を現しとし、経年を経ることでより深みを増し、自然と共に在る事を楽しむ暮らしの傍に美しくあることを考えました。

暖房・給湯の熱源はガスと電気ヒートポンプを組み合わせたハイブリッド熱源を採用し、外皮設計と共に快適かつ省エネルギーを目指した設計としています。

都市の利便と自然の豊かさを同時に楽しむ「現代的な里山暮らし」を考え、設計しました。