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2017.6.19 建築視察ブログ

シンガポールへ その1 2017

シンガポールへ その1

 

先日機会があり、まだ訪れたことの無かったシンガポールへ。

シンガポール共和国は1965年に独立国として成り立ちます。

東南アジアに位置し、東京23区と同じくらいの大きさのとても小さな国ですが、小さい故に何も作れないではなく、地球上で自国の位置するところをうまく活用し様々な意味での世界のハブ化として促進し経済的に大成功している先進国家です。

近年では戦略的に観光化を推し進め2015年には小国ながら1200万人(日本は2000万人弱)の観光客を受け入れています。

民主主義の形をとりながらも、故リ・クアンユー氏による長期的な政治的、経済的なリーダーシップで劇的に発展してきました。

 

街を訪れると、まずは道や街の隅々の奇麗さに驚きます。

これはごみのポイ捨てへの罰金刑などが厳しいことが原因ではありますが(ガムの販売禁止など、細目にわたる罰則が厳しいことで有名のようです)、そんなことからも「国をよりよくする目的のためには、こうすべきだ」と律する厳格な国の指針が感じられます。

国民は華人を中心とする中国系が74%、マレー系が14%、インド系が7.9%、その他が1.4%となる多民族国家ですが、性格は穏やかで物静か、どこか日本人の気質を思わせられました。

観光地や有名な建築物などを訪れると風景風景にふと気づかされるのは、都市計画にもしっかりと国の目標とする芯を通して計画していることが感じられることです。

例えば国立美術館であるシンガポール・ナショナル・ミュージアムのエントランスを出ると、観光のシンボル的な建築である「マリーナベイサンズホテル」が象徴的に立ち現れます。



シンガポールという言葉の象徴的存在であるマーライオンパークからも同様です。またこの面する港湾は緑と印象的な建物に囲まれ、シンガポールの先進国家ぶりを伝え、また夜は美しい夜景の観光拠点となります。







都市を巡る中で、その都市をイメージづけるアイコンが効果的に配置されていると観光客にとりその都市が印象的に記憶され、またフォトジェニックであることは情報化社会の現代、また次の観光客を呼び込みます。

「都市をハブ化するには何をすることが最も良いか」「観光都市化し、外国人が訪れたくなる都市を作るためには何をすべきか」、行き当たりばったりで都市が作られていったのではなく、目的に絶えず立ち返り、より良い効果を生み出すにはどうすべきかという事を国のトップが考え続けていることが伝わります。

もちろん私が数日程度で訪れられたのは国の表層的な部分だけであり、もちろん国として色々と初見では見えないことはあるのだと思いますが、観光客として訪れた一人に「美しく整った先進国家」という印象を与えられたことは確かです。

例えば自分の住む日本が、観光という目線で客観的に比較すると劣っている点、また優れている点は何か。

政治や経済の成功や失敗、それと対比的にそこに住まい、国に向き合う人々の本質的幸せとは何なのか。

新しい土地に行くと、歴史や民族性や自然環境などを肌で感じる事で普段とは違う経験が得られ、違う視野から物事を考える機会を与えてくれます。

 

建築の話からそれてしまいました、、、見学した建築物などについてはその2へ続きます。

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