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2019.6.7 ブログお知らせ

「金額がわからないので相談しづらい」というイメージ


設計を進行しているクライアント様と打ち合わせを進めていて、段々仲良くなってきたら(笑)必ずと言っていいほど言われるのが、「ホームページやその他資料を見ても総費用がわかりやすく書かれていないので、最初は凄く問合せしづらかったです」という趣旨の言葉です。





確かに私も「時価」としか書かれていないお寿司屋さんに気安く入れる気はしないよな…と思ったりもします。(持つ意味は違うのですが)





ですので今日は「金額が書いていないこと」をどう捉えて頂ければ良いかを書きたいと思います。










●なぜ具体的に総費用が書かれていないか





弊所の建物はすべてがクライアント様、その土地に合わせたオーダーメードの設計です。プライベートな情報を明らかにすることはできませんので過去の事例の金額に関することは公開していません。





しかし、設計のお問い合わせを頂く中で個別には、多くの過去の建物から具体的案件を例示して「この物件はこういった仕様(空間・断熱・設備・建材など)でこのくらいの大きさでできて、総費用は大体これくらいで完成しています」というおおよそのイメージはお伝え出来ます。





必要に応じて、設計期間途中で工事会社の協力を得て概算見積もりなどで確認しながら進めることもできます。





お気軽にご質問いただければと思います。










●金額はクライアント様が決めるもの





これは言ってしまえばあまりに当然ですが、オーダーで完全に自由に建物を建てられる時に、設計事務所が守るべき、また優先順位の高いご要望の一つに「ご予算」というものがあります。





設計事務所のホームページには「総費用が書かれていない」のではなくて、「総費用はクライアント様が決め、設計事務所はそれに着地すべく設計を行う」なのです。





ですので遠慮せずに主体的に「この予算でこういう建物を建てたい」とご要望をいただければ、それに対して様々な過去の事例や方法論をご提案し、そのクライアント様にとり費用対価値の高い設計を長い時間検討を共に行っていくのが設計事務所です。










●坪単価はいくらくらいですか?という質問





ハウスメーカーなどでは、一定の仕様があり、その限られた仕様の範囲内で最終形が決まることが分かっているので「坪単価は○○万円」で建ちます、とはっきりと最初に書いてあったりします。





設計事務所の場合、仕様に決まりがなくどんなことでもできるが故、すべての建物にクライアント様の個性が形を含め全ての事に反映され、これから無限の要素から多くの打ち合わせを重ね最終の設計になっていきますので、設計前に「坪単価いくらです」とは言えないのです。





結果論としてになりますが、建った後に逆算して「この建築はこういった仕様で出来ていて坪単価約○○万円でした」とは設計事例よりは言えますので、打ち合わせの際には参考としてデータはお伝えはできます。)





これは、「坪単価」をお伝え出来ないから、これから金額がいくらになるか全くわかりませんという事ではもちろんありません。





自由に設計できるからと言って決して無秩序に設計を行って、出たとこ勝負の工事見積もりが出てくるのではなく、過去多数の設計の実績と経験値・ノウハウ、クライアント様の要望と優先度、その他様々なテクニックを駆使し、過去の事例などを基に金額も含めじっくりとお打ち合わせをして設計を進めていきますので、ほとんどの場合で予算に限りなく近づいた、クライアント様にとり最も費用対価値の高い見積もりを得て頂くことが出来ています。










●設計事務所の建物は高いのではないかというイメージ





先に挙げた質問などがなぜ問われるかというと、根本は「設計事務所の注文住宅・建物」は高いのではないかという何となくのイメージからだと思いますが、それはそうではないと言えます。





設計事務所が設計監理を行う物件では、「設計料」が単純に別負担になってくるイメージがあるようですが、 ハウスメーカーなどでも設計・監理料は一式の金額の中に必ず含まれています。





また、 業態上、大手ハウスメーカーなどになればなるほど経費や利益率が大きくなります。(そしてそれはクライアント様には見えづらい部分です。)





設計事務所は工事見積もり時にクライアント様の代理として工事会社の見積もりを精査し、相見積もり等を行った上、更に時勢の単価に合っているか、また量が間違っていないか、経費を必要以上に取っていないかなどクライアント様の代理としてプロの目でチェックし、適正かつ良心的な金額である状態まで精査されたものをクライアント様にお渡しが出来ます。





工事見積書 相見積もり









ホームページを見て、





「金額がわからないので相談しづらいな 」と思われた方には…





「金額はクライアント様が決めるものであり、その予算で最も費用対価値高い設計をご提案するのが設計事務所、間違いなく無駄のない見積もりを得ることが出来る」、とご理解を頂ければと思います。





設計事務所のメリットは金額のチェックももちろんですが、検討、設計、打ち合わせにしっかりと時間をかけ、無数の要素の中からクライアント様にとってのベストを共に導き出し、全ての面で納得した、末永く気持ちの良い空間が得られることだと思っています。





しかしながら良い建物を建てたいという設計者の気持ちのベクトルからすると、「相談いただくまでの敷居が高い」がネックになってしまうのは全く本意ではない部分で、毎回質問頂くところをまとめて今回ブログにさせて頂きました。





金額のことに限らずですが、わからないことがありましたらまずはお気軽にお問い合わせを頂ければと思います。





建物に関して言えば、「聞かぬは一生の損」になり得ます。





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