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2019.6.7 住まいを考えるブログ

住まいを考える|23|予算も、設計する。


家づくりのご相談をいただき、お打ち合わせが少し進んだ頃によく伺う言葉があります。
「ホームページを見ても総費用がよく分からなかったので、最初は問い合わせしづらかったです。」
確かに、金額が見えないものには不安があります。
私自身も、「時価」とだけ書かれているお店には入りづらさを感じます(笑)。
今日は、なぜ設計事務所のホームページには総費用や坪単価が書かれていないことが多いのか、そして私たちが予算をどのように考えているのかについてお話ししたいと思います。










予算は、設計の大切な条件です





住まいづくりには、必ず予算があります。
予算のない建物というものはありません。
だから私たちは、暮らしのご要望をお聞きするのと同じように、ご予算についても大切な設計条件としてお伺いしています。
設計事務所は、予算を無視して自由に設計する場所ではありません。
むしろ、ご予算という条件を丁寧に受け止め、その中でどれだけ価値の高い住まいを実現できるかを考えることが、設計の重要な役割だと考えています。










設計事務所は、コストを一緒に考えるパートナーです





「設計事務所に頼むと高くなる。」そんなイメージを持たれることがあります。
ですが、私たちはそうは考えていません。
建築には、無数の選択肢があります。
断熱性能。
構造。
窓。
設備。
外壁。
床材。
照明。
家具。
同じ予算でも、どこにお金を掛けるかによって、住まいの価値は大きく変わります。
私たちが目指しているのは、単純にコストを下げることではありません。
そのご家族にとって本当に価値のある部分にはしっかり予算を掛け、それ以外は工夫を重ねながら、限られた予算の中で最大の価値を生み出すことです。
これは、暮らし方を一緒に考えることと、本質的には同じことだと思っています。










だから、最初から一つの金額はお伝えできません





設計事務所の建物は、一棟一棟すべてがオーダーメイドです。
敷地も違えば、ご家族も違い、暮らし方も違います。
性能や設備、素材、空間構成によって必要な費用も変わります。
そのため、「坪単価はいくらです」と一つの数字だけをお伝えすることはできません。
これは金額が分からないということではなく、設計が決まる前に、一つの数字だけでは責任あるお話ができないという意味です。
もちろん、これまでの経験から、
「このくらいの規模で、このような性能や仕様なら、おおよそこれくらいになります。」
という目安は、実際の事例を交えながら具体的にお伝えしています。










設計事務所は、建築主のパートナーです





設計が進み、工事会社から見積書が提出された後も、私たちの仕事は続きます。
数量に間違いはないか。
設計図通りの内容になっているか。
相場から大きく外れていないか。
必要な工事がきちんと含まれているか。
一つひとつ確認し、必要があれば工事会社とも協議しながら内容を整理していきます。
住まいづくりは、多くの方にとって一生に一度の大きな買い物です。
一方で、見積書の内容は専門的で、お客様だけで判断することは簡単ではありません。
「この金額は適正なのだろうか。」
「必要な工事がきちんと含まれているのだろうか。」
そんな不安を感じるのは、ごく自然なことだと思います。
設計事務所は工事を請け負う会社ではありません。
だからこそ、建築主の代理人として、第三者の立場から見積書や工事内容を確認することができます。
もちろん、工事会社を疑うためではありません。
工法や仕様の考え方にはいくつかの選択肢がありますし、人がつくる以上、数量の拾い違いや解釈の違いが生じることもあります。
だからこそ、専門家が間に入り、一つひとつ確認しながら、お客様にとって適正な内容になっているかをチェックすることが大切だと考えています。
私たちは、工事会社のためでも、お客様の言いなりになるためでもありません。
建築主のパートナーとして、公平な立場から住まいづくり全体を支え、より良い着地点を一緒に見つけること。
それも、設計事務所の大切な役割の一つです。





工事見積書 相見積もり









まずは、ご希望を聞かせてください





ホームページに総費用を書いていないのは、費用を曖昧にしたいからではありません。
住まいづくりは、一人ひとり条件も価値観も違うからです。
だからこそ、ご予算も設計条件の一つとして大切に考えています。
「この予算でも相談していいのだろうか。」
そんなふうに迷われる必要はありません。
住まいづくりは、
「いくら掛けるか」だけではなく、
「限られた予算を、どこに使うか」
で大きく変わります。
私たちは、図面を描くだけではありません。
暮らしを考え、
予算を考え、
品質を考え、
デザインを考える。
その一つひとつを整理し、そのご家族にとって最も価値のある答えを一緒に探していきます。
予算も、設計する。
私たちは、それも設計事務所の大切な仕事だと考えています。










住まいを考える





「住まいを考える」は、住まいづくりにまつわる考え方や設計の工夫を、一つひとつテーマごとにまとめたシリーズです。
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Last Updated:2026.08.03
English Summary
Budget is not just a financial limit—it is part of the design process. We believe an architect’s role is to help clients make the best use of their budget by balancing design, performance, quality, and cost. As an independent professional, we also review construction estimates from a neutral standpoint, helping clients move forward with confidence.







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