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2023.3.14 ブログ

段床の家room tour


床段差が家族の気配を繋ぐ家
段床の家(2022年竣工)room tour









【リビングへとつながる廊下】
ダウンフロアでいくつかの階層を降りながら、リビングへと向かう廊下からのカットです。
家の中で一番の天井高さと広さを持つLDKへと向かう廊下は階段室を廻るように配した事で、リビングがいきなり見えず、期待感を高めるように続き、一気に視界が開けます。
上にはね出している板は、階段踊り場に作られたスタディスペースのカウンター、黒い鉄棒は背筋を伸ばすぶら下がり棒。




【廊下からLDKへ】
廊下からLDKへと入ると視界が開け、広々としたワンルーム空間となります。
大開口で庭へと目線を水平に開き、スケルトン階段・吹抜へと垂直にも開くことで面積以上に広々とした空間となります。
キッチン天井は敢えて抑えることでリビング空間とのメリハリを付けています。




【ダイニングからの目線】
ダイニングに腰掛けると、これから整備される予定の植栽の庭へと視線が広がります。
また、斜め壁の吹き抜けからは抜けた北の空が望め、清々しく気持ちの良い借景となります。
リビングからは窓を通して庭へと連続し、気候の良い時期は庭とリビングを一つながりで使える動線となります。




【ダウンフロアリビングを見る】
リビングは家の中で一番低いダウンフロアとすることで、落ち着いたスペースとなります。
段差やテレビ台ともなるカウンターはベンチとなり、家族が気分に応じて色んなところに居られるリビングです。
床を下げ、天井を梁表しとしたことで最高3mの解放感ある空間としました。
基礎断熱であることから一部基礎を室内側に見せインテリアとしています。
キッチン腰壁のニッチは、ソファが置かれた際ちょうどソファの上にくる位置、リモコンなどの小物用です。




【リビングからの見返し】
敷地傾斜に沿ってダウンフロアとなる最下段であるリビングから空間を見返す。
床が下がったことにより天井は高くなり、合わせて梁を表しにし、よりリビング周りに開放感を与えています。
ダウンフロアとなった段差、またテレビ台から連続した収納カウンターは、人が集まった時にはベンチともなります。
階段の一部がスケルトンとなりブリッジのように中空に架かり、家族の動線が見え隠れし気配を伝えます。




【リビングから玄関方向を正対して】
玄関から敷地に沿っていくつかの段でダウンフロアする様子がわかるカットです。
床材はエルム材(ニレ材)の複合フローリングとし、白と爽やかなナチュラル系樹種の組み合わせで明るいインテリアとしました。
スケルトン会談の向こうが1.5階に位置するワークスペース。家のどこにも目を配れる位置です。
その奥の正方形の穴は、子供スペースの勉強スペースがちらりと見える窓です。リビングにいても勉強する子供とコミュニケーションが取れます。
天井は2階床剛性を得ている根太レス合板(針葉樹合板)をそのまま表し、ザックリとした木の風合いをそのまま見せています。




【リビングからの眺め】
高低差ある周辺敷地環境から、リビングからは周辺建物と目線が合わずに空へ抜ける開放感ある借景が得られます。
多用途のカウンターはテレビ台ともなり、ベンチともなり、書棚・収納ともなる高さとして設定し、また床暖房のフローリングに床座するとちょうどよいサイドテーブルともなります。
カウンターはカラマツの3層合板を採用し、小口の断面を表してザックリとした木の雰囲気が伝わる造りとしています。




【2Fホールから吹き抜けを見る】
壁が斜めとなった変形の吹き抜けと、階段上空、1.5階のワークスペース上空がヴォイドとなり、視線を各階に斜めに繋げます。
各個室には吹き抜けに向けて開口が設けられていることで、LDKスペースなどの共用部と繋がりを持ち、家族が気配を感じながら生活できるように検討しています。




【階段途中からの眺め】
スケルトン階段からは、1階の家族の様子がよく見え、階の移動の途中でも互いのコミュニケーションがとりやすい、家族の気配をよく感じるつくりとしました。
スチール製のスケルトン階段の手すりは、お子さんが小さいうちは安全ネットをつけられるように桟や支柱の位置を計算して配しています。
階段は生活動線であることから、蹴上、踏面の寸法は、負荷少なく、またストレスなく上下移動ができる寸法を検討し設計しています。




【階段1.5階のワークスペース】
階段の踊り場を拡張したワークスペース。
掘りごたつのようになっており、床に足を下ろして座って使用します。
箱階段がここを境にスケルトン階段に切り替わるのは、ワークスペースから、ワークスペースへの目線を透すためでもあります。




【階段1.5階のワークスペースの造り】
階段の踊り場を拡張したワークスペースを書斎の覗き窓から見下ろしたカットです。
棚はリビングからも吹き抜けを見上げると望めることから、実用性と見栄えも兼ね、下部はワークスペースの資料類の書棚、上部を飾り棚と捉え、家の中心である階段周辺にインテリアとして使えることすることを考えました。








【子供ワークスペースの造り】
子供のワークスペースは、寝室と一緒にせず、デスクに向かう時間とメリハリがつけられる構成としました。
デスクスペースはホール、吹き抜けへと解放され、プライベートであるけれども緩やかに繋がるスペースとしています。
デスクスペースの壁はOSB合板張とし、衣服や趣味のものをかけるフックを増やしたり、掲示物をテープで張ったりとハードに自由に使える壁として考えました。








【外観の計画】
寒冷地において耐久性、メンテナンス性からガルバリウム鋼板を採用、立平葺と小波鉄板葺を組み合わせました。
跳ねだしの軒下のポーチでは造作木製玄関ドア(m.a.p)を採用し、小波鉄板のテクスチャーに合わせ羽目板を細かな横目地とし、上端ラインを統一することでデザインを整えました。
白い外壁は、庭木を植えた際に植物を映えさせる背景ともなります。

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