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2023.6.16 Photologブログ

[PARALLEL]room tour


猫と共に豊かに暮らす住宅
PARALLEL(2023年竣工)room tour









【エントランス空間】
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玄関を入ると、地窓から光が入る白く明るい空間が家族を迎えます。
左のニッチのある壁は、下地までを工事で設え、竣工後にクライアント様が左官にて仕上げました。家族の手作業の跡が家づくりの記念、記憶として残ります。
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玄関土間のモルタル床は、好き嫌いがハッキリ分かれる素材ですが、自然な風合いが楽しめる素材です。
ザックリとしたムラのある自然な質感がお好きな場合には採用しています。使い込むことで色の変化やヘアクラックは発生しますが、それもまた経年の味として楽しむことが出来ます。
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アーチの奥はシューズクロゼットとなっており、家族はそちらから出入りし普段の靴を置くことで、メインエントランスは靴がないすっきりした状態を保つことができます。









【シューズクローゼット、パントリー】
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エントランスからつながるシューズクローゼットは、主要室から連続するため、家族用の玄関として使うことができ、それによりメインの玄関には靴のないすっきりとした状態をいつも作れます。
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シューズクロゼット内には帰宅用として小さな手洗いを設置しました。
帰宅するとすぐ手洗いに向かう、特にコロナ以降、昨今の生活スタイルからとても利便が高い設備です。子供が外遊びから帰ってきたときにも便利です。
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奥に見えるのは広々としたパントリー、奥はそのままキッチンに連続します。パントリー内に冷蔵庫も配置しており、食材の買い物から帰宅したら玄関からそのままの動線で食材を収納できます。
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【リビング見返し】
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リビング階段が窓際に配置されたリビング。
キッチンで作業をしたり、リビングでくつろいだり、階段を上り下りしたり、玄関から帰宅したり、すべての情景が目に入る、家族のコミュニケーションの拠点となるメインスペースです。
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階段・吹抜けの周りはキャットウォークが階段状に巡り、人と猫の動線がそれぞれ確保されています。
キッチンとエントランスの猫が入ってほしくないエリアに向かう通路には目線と空気は通しながらも猫が通れない扉を設置し、目線や光、空気は透しながら、猫と人のエリアをしっかり区画できるようにする事で、それぞれが生活しやすいゾーン分けをしています。
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引き戸は戸先側にもソフトクローズ機能を付け、開き扉はドアノブを昨今主流のレバータイプとせず握り玉とすることで猫による開閉が出来ないようにしています。
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ロールスクリーンなどのシェード類は、猫が出入りするエリアはチェーン式としないことで、事故を防止しています。
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【リビングテレビ側を見る】
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天井は一部梁表しにすることにより天井高さを出し空間に変化をつけています。
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テレビは壁掛けとし、下部をAV機器収納として壁に埋め込みとして、ごちゃ付きがちなテレビ周りをスッキリさせました。
機器収納の下のスリットはロボット掃除機の基地置き場として、ふき取りタイプと吸い込みタイプを並列でおける幅として設定しています。
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向かって右側の白い壁はプロジェクター映写対応の壁紙を使用し、大画面で映像を楽しみたい場合はプロジェクターのスクリーンとなります。
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床材は床暖房対応のブラックウォールナット複合フローリングを採用。
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リビングに隣接した猫ルームは、猫のトイレ、水飲み場などがある、ケージを兼ねた3畳ほどの小部屋になっており、来客時は扉を閉めることが出来、その部屋で猫に必要なものが集約されています。
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猫ルームにはキャットステップからも、床からもアクセスすることが出来、猫にとってのアスレチックを兼ねながらリビングから空間が連続します。
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【階段に沿うキャットウォーク】
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人の階段同線に沿うように吹抜けに設けたキャットウォーク。
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窓の下台は標準より広くとり、キャットウォークの延長、休憩場所としましたが、住まわれた現在、室内、屋外を見渡せ日向ぼっこができるお気に入りスペースになっているそう。
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キャットウォークは2階の各個室にキャットドアにて繋がっており、小さなアーチ越しに猫が部屋から顔を出す愛らしい姿を見せてくれます。
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階段支柱の丸柱は猫の爪とぎ場所を兼ねており、クライアント様のDIYにて紐を巻いてインテリアとして見せています。
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【ガラス仕切りのキッチン】
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猫がキッチンに入れないように間仕切りしつつ目線や音は繋がる透明ガラスでデザインしたキッチン。
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ガラス横の黒い面はマグネットが貼れる場所が欲しいというクライアント様のご要望で採用した黒皮鉄板のパネル、鉄の酸化被膜の鈍く光る素材感がガラスと合います。
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透明ガラスでつながることで、キッチンにいながら、L+Dや階段動線に目線を開く事が出来ます。
ガラスの一部が開き扉になっており、状況に応じて開閉しコミュニケーションも取りやすくなっています。
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【キッチンからの目線】
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キッチンに立った時の視界です。
L+Dに目線が開き、階段、キャットウォークを見ることができます。
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ガラスの一部はガラス丁番により開き扉となっており、状況に応じて可変させコミュニケーションも取りやすい作りになっています。
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また奥のグレーの壁にはリビングの壁付けテレビが架けられ、キッチンにいながらTVを流し見ることもできます。
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キッチンは家の中でリビングよりも滞在時間が長いご家庭も多い、一日の内で大切な長い時間を過ごす場所です。
家族とのコミュニケーションがとりやすかったり、気配が互いに繋がれたり、長く居て閉塞感のない快適な場所である必要があると考えいつも設計しています。
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【キッチンとの繋がり】
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キッチンのアーチの奥にはたっぷりと収納ができる3畳ほどのパントリーがあります。
大きく圧迫感になりがちな冷蔵庫もパントリー内に配置したことで、キッチン裏食器棚をスッキリとしたインテリアとすることができます。
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パントリーはシューズクロゼットにつながり、シームレスにエントランスにつながります。
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お買い物の後帰宅した玄関から、パントリーにそのまま移動し収納ができる無駄のない動線になっています。
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【猫ルーム、奥方向を見る】
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リビングに隣接した猫ルームです。カウンター上は猫のごはん置き場(カリカリマシーンを置けるように電源も)、新鮮な水をいつも飲めるよう水栓からボウルに給水がいつもできる水飲み場となっており、カウンター下部の扉内は猫トイレ置き場となっています。
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カウンターに登れる階段、天井に吊った梯子通路へのキャットステップなどがリビングの猫動線と連続し、アスレチックのように猫が移動や居場所を楽しめるようになっています。
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左側壁面キャットステップの途中に設けられた小窓は在宅ワークスペースを猫が覗ける小窓。扉が閉まっていても目線でコミュニケーションをとれる仕掛けです。
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換気の排気口をこの部屋に設けることで、猫トイレの匂いなどが住宅側に流れづらい空気の流れとしています。
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【猫ルーム、リビング方向を見る】
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来客時など、ガラスとルーバーの猫ルーム入り口引き戸を閉めると、天井吊り梯子と床からの猫動線、どちらも閉じることができ、この部屋自体を広々としたケージとして使うことができます。
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リビングと音や目線は繋がるため、寂しい思いをさせずに互いにそれぞれの空間を使うことができる工夫です。
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【2階ホールから吹抜けを見る】
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吹抜は階段とキャットステップが通る人と猫の縦動線です。動線それぞれが人と猫快適な位置にあることを考えると、賑やかさのある楽し気な通路空間が出来ました。
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手すりは将来ネットを張ることもできる形状とし、天井のパイプと共に物干しを兼ねることも考えたスチール製のスケルトン手すりとなりました。
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寝室の壁に空いた猫入り口を小さなアーチにし、室内側から任意で開け閉めできるようにしています。吹抜側から見ると人用ドアとの大きさの対比が可愛らしいですね。
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【吹き抜けを廻る階段とキャットウォーク】
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方位により角度を付けた南の大窓に沿って設けられた吹抜けは、光と借景を得ると共に階段が通る動線ともなっています。
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スケルトン階段とスチール手すりで吹抜けの解放感は損なわないようにし、また、人の頭上には猫のキャットウォークが展開され、自由に各部屋や日向ぼっこ場所として作った窓台へと行き来できるようになっています。
各個室への小さな出入口にはそれぞれ内側から戸が設けられていることで、猫が自由に動ける範囲を調整できるようになっています。
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人の動線、そして猫の動線、互いに良い距離感を持って快適に暮らすための仕組みです。
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【光を採り入れ、空を望む南窓】
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吹抜けに面した高窓は、窓台を広くとり猫の日向ぼっこ場所としています。
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光暖かく、道路や町が見渡せるこの場所は住まわれてから猫が一日で多くを過ごすお気に入りの場所だそうです。
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キャットウォークが繋がる左のアーチ開口は主寝室へと繋がります。
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【洗面室】
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大工工事でシンプルに造作した洗面室。
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朝の出発が混みあう時間でも使いやすくカウンターは二人が並べる広さとしています。
カウンター下部をオープンとすることで椅子を使用して化粧台にも使用できます。









【ポーチ回り外観】
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建物から表しの片持ち梁で庇を出し、玄関ドア外に雨・雪除けの軒を付けています。
庇に柱や壁を無くすことで除雪しやすく、軽快感あるすっきりしたポーチ回りとしています。
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L型した建物形状、またRCフェンスにより庭を囲むことで、半プライベートな中庭空間とし、室内の南窓から庭の風景を楽しめる配置としています。

最近採用が増えてきた宅配ボックス、寒冷地においては外壁埋め込み型は断熱の関係で悩ましい面があるため、意匠性のあるボックスを玄関周りのアクセントとして自立配置しました。
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外壁はガルバリウムカラー鋼板、立平葺。表面をさざ波加工することで、細かなストライプ模様が付くと同時に板金特有のペコ付き感を軽減できます。
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ブラックの全体色の中で、人が近づく場所であるポーチ回りはとど松材羽目板材を張り、柔らかい印象を加えています。
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【外観夕景】
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斜めに窓で開かれた外壁は、太陽の向きと、住宅地において数少ない抜けである「空」を捉えられる角度で設定しました。
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目線が通る窓の多くを庭に面させ、プライベートコートを室内のどこからも感じられるようなプラン構成としています。
斜め窓に広めに確保した窓台、窓に接したスケルトン階段は、好奇心旺盛な猫の展望スペースになっています。
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