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2023.8.30 ブログお知らせ

最良の「土地の探し方」について


「家づくりのための土地を探しているところです」という方に連続して何人かお会いしてお話しする機会があったので、「土地の探し方」についてのブログを書かせて頂こうと思います。(20230822記事更新)





当たり前ですが、土地がなくては建物が建ちませんので、住まいを建てよう、建物を建てよう、と思ったときに第一に始まるのが「土地探し(リフォームの場合物件探し)」です。





建て替えや既にお持ちの土地で建てる、という場合もありますが、多くが「土地探し・建物探し」からのスタートです。





土地を探す、という事自体を経験したことがある方はあまり多くないと思いますので、ほとんどの方が人生で初めて「土地」を探す、という事になると思います。





「探す」という行為自体は、インターネット上の不動産検索サイトにて、売りに出ているほとんどの土地を見ることが出来る便利な時代であることから、パソコンかスマホがあればどなたでもスタートすることが出来ます。





探し始めた後に皆さん難しいなと感じられているのが、「何を判断材料にして決めればよいのか」という、「落としどころ」です。





「南向き道路」「道路幅」「駅からの距離」のような一般的に良いと言われるポイントは誰しも見ることが出来るのだけれど、それ以上の何を判断材料にしたらよいかわからない、その土地に希望している建物が本当に建つのか、そこで決めてもよいのか自信が持てない…もっと安くいい土地があるのではないか…というところで迷って時間がかかってしまったり、他の買い手がついてしまったり、無駄な時間をかけてしまうことが多いようです。





土地には時代に応じた相場があり、プロが売り手が損しないように値決めをしていますので、一般的に良いと言われている条件が揃った土地で安価な掘り出し物、というのは基本的にありません。





そういったときには、「何を目的に」土地を探しているのか(つまり、自分は何のために家(建物)を建てるのか)という本質に立ち戻って考えて頂くことで、押し並べて好条件な土地ではなく、ご自身、ご家族にとっては売値より価値の高い土地とは何なのかを見つけることが出来ると考えます。





例えば弊所に建物づくりのご相談を頂く方のうち、半分以上の方は土地が決まっていない状態で来所されます。





その場合、まずは建物を建てたい動機、そしてご家族がどのようなライフスケジュールをイメージをされているかをヒアリングさせて頂き、上記のような話も含め、いくつかのお話をさせて頂きます。





総体予算に対して土地をどのくらいのコストで考えればよいか。(建物にどのようなご要望があるかにより、建物の予算をおよそ逆算し、それを実現するには土地をどれくらいで考えることがバランスが良いのかをお伝えします)





どれくらいの面積があり、どういった法規制がある土地である必要があるか。(法的に間違えなく必要とされる大きさ、用途を満たす建築ができるかという読み方をお伝えします。)





そしてその他、過去多く建物を設計させて頂いている中で、地盤の杭の話、使用する暖房給湯等エネルギーの話、地震や水害といった災害エリアの話、近隣環境の調べ方の話、等々、土地を探すうえでは様々考慮しておいていただきたい点があります。





また、そういったチェックポイントをお話しするためにまとめた資料を作っておりますので、それにそってご説明、土地探しの基礎知識としてお渡しさせて頂いています。









設計ご提案を前提とし一緒に土地探しをさせていただく場合には、お施主様の方で探して頂くのと同時に、弊所で土地情報をあたり候補をご提案したりもできますし、良い候補が出た際には施主様と一緒に現地に行き、法的や技術的な点のチェックはもちろんですが、この土地だとどういう建築空間が作れる可能性がある、等、現地で一緒にその土地の良さ・悪さをお話しし、土地決定の判断材料として頂くことが出来ます。





土地も平坦で整形なばかりが必ずしも良いわけではなく、ハウスメーカーが手を付けない、変形や段差、狭小などユニークでコストが抑えられた土地に施主様らしいオリジナルな建物が出来上がる可能性もあります。そういった制限された土地こそ逆に設計事務所の腕が鳴るというところもあります(笑)










過去には一緒に土地探しをされていたお施主様が、ある土地を見つけ「気に入ったので他の人に売れないうちに明日すぐ契約します!」と急に動かれたのですが、急ぎこちらで現地調査し契約ギリギリでストップをお願いしたこともあります。
その土地は隣地建物との間にある大きな問題(プロの観点で多角的に見ないと気付きづらい)を抱えていました。





専門家と一緒に土地探しをすることでそう言った面でのリスクを削減することも出来ます。










既に先入観が付いてしまった考え方と違う観点をクライアント様にお伝えすることもできる場合もあります。





例えば、
都市部への通勤から、まず「駅徒歩〇〇分」を土地探しの一番優先にされる方が多いですが、現在札幌市は都市部の土地価格上昇がバブルの状態で、コスト的にその条件を絶対とすることが建物づくりの大きな枷になる場合もあります。
これは例ですが、考え方の転換の一つとしてお伝えするのは、駅まで車で行く(パークアンドライド)
駐車場を借りたとして、12か月で12万円、30年通勤したとして360万円です。
(参考:札幌市交通事業振興公社 パークアンドライド駐車場)
https://www.stsp.or.jp/business/parkandride/





A・都市部で2000~3000万円のコンパクトな土地を買って駅まで徒歩15分、後電車通勤
B・自然が近いエリアで広々とした庭も持てる敷地の数百万円~1000万円の土地を買って駅近くの駐車場(合算駐車場は+360万円)まで車で15分、後電車通勤





車をお持ちになるのが前提なら、通勤時間はほぼ同じ、土地にかかるコストは後者が大きく削減できるとしたら、どちらが良い、お子さんたちを含めご家族が豊かに生活できそうと感じられるでしょうか。





これは極端な例で、もちろん都市部への居住にも多くのメリットがありますが、通勤距離だけのために街中に暮らすよりも、通勤可能なら後者を豊かとお感じになる方もいらっしゃると思います。





このように、先入観によらず、ご家族の条件に対し最良の土地は何かという観点で知識をお伝えしますので、考え方の拡大をさせていただける場合もあります。










これらのように、土地探し段階から参画させていただくことで、土地探しのポイントとなる知識・良いものが出た時の即断できる判断基準、リスクチェック・建築の上での法的なチェックや出来上がる空間を見据えたアドヴァイス。





クライアント様だけだと不安な場合も多い、こういった部分を補完させて頂くことが出来ます。





「土地が見つかってから」設計のご相談を頂くのももちろん良いのですが、
「土地がないから」こそ、より価値の高い土地を見つけて頂くため設計事務所のノウハウを活かして頂くべく、土地探しの段階からぜひご相談くださればと思います。





土地は出会いとタイミングもありますので、探し始めて数日で決まることもあれば、理想を追求されて2~3年経って土地が決まることもあります。





まずは思い立った時に、お気軽にご相談くださればと思います。












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