住まいを考える|37|ロボット掃除機の置き場所も、設計します
ロボット掃除機は、住まいの一部になりました
最近の家づくりでは、ロボット掃除機をお使いになるご家庭がとても増えています。
共働きのご家庭や子育て世帯はもちろん、ご夫婦二人で暮らす住まいでも、毎日の家事を少しでも楽にするために取り入れられることが多くなりました。
今では、ロボット掃除機は特別な家電ではなく、暮らしを支える存在の一つになっています。
だからこそ私たちは、設計の初期段階から「ロボット掃除機をどこに置くか」も一緒に考えています。
意外と忘れられがちな「置き場所」
ロボット掃除機には、本体だけではなく充電基地や配線があります。
床にそのまま置いてしまうと、見た目が雑然と美しくなく、通路の邪魔になったりすることもあります。
一方で、収納の奥へしまってしまうと、毎日使うことが面倒になり、自動運転やタイマー機能といった便利さも十分に活かせません。
だから私たちは、「あとから置き場所を考える」のではなく、最初から住まいの中に自然な居場所を設けることを大切にしています。
家電も、住まいの一部です
住まいは、壁や窓だけでできているわけではありません。
テレビ。
Wi-Fiルーター。
ゲーム機。
スマートスピーカー。
そしてロボット掃除機。
毎日使うものだからこそ、暮らしの中で自然に収まり、使いやすく、美しく存在できる場所を最初から考えておきたいと思っています。
大切なのは、「隠すこと」ではありません
ロボット掃除機は毎日働く家電です。
だから、完全に隠してしまうことが正解ではありません。
使いやすいこと。
掃除がしやすいこと。
充電しやすいこと。
そして、生活空間の邪魔をしないこと。
私たちは、「見えない収納」を目指すのではなく、「気にならない居場所」をつくることを大切にしています。
ロボット掃除機にも、それぞれの住まいに合った居場所があります
住まいによって、最適な場所は変わります。
小上がりの側面。
テレビ周りの収納の下。
壁面収納の一角。
ベンチの下。
家族の暮らし方や間取りに合わせて、その住まいに最も自然な場所を考えています。
また、ロボット掃除機が効率よく掃除できるよう、基地からの動線まで意識して計画することもあります。
「どこに置くか」だけではなく、「どう動くか」まで考えることも設計の一部です。
暮らしが変われば、住まいも変わります
住まいは、一度建てたら何十年と暮らし続ける場所です。
その間にも、暮らし方や家電、情報を取り巻く環境は少しずつ変わっていきます。
以前は、リビングには大きなテレビ台があり、DVDレコーダーやオーディオ機器を並べることが当たり前でした。
今では壁掛けテレビが増え、配信サービスが普及し、テレビまわりに必要な収納も大きく変わっています。
スマートスピーカーやAIが暮らしの中に入り、ロボット掃除機が毎日家の中を掃除することも珍しいことではなくなりました。
これから先も、私たちの暮らしは少しずつ変化していくでしょう。
だから私たちは、「今の暮らし」に合わせるだけではなく、「これからの暮らし」にも柔軟に対応できる住まいを考えたいと思っています。
新しい道具や技術をただ取り入れるのではなく、それらが自然に暮らしへ溶け込み、美しく、使いやすく存在できること。
そうした柔軟さも、長く住み続けられる住まいには欠かせない要素だと考えています。
小さな工夫が、暮らしの質を高めます
ロボット掃除機の置き場所は、住まい全体から見ればほんの小さなスペースです。
しかし、その小さな場所を丁寧に考えることで、毎日の使いやすさや空間の美しさは大きく変わります。
家づくりとは、大きな間取りやデザインだけを考えることではありません。
暮らしを支えるもの一つひとつに自然な居場所をつくり、使いやすさと美しさを両立させること。
そして、時代とともに変化する暮らし方を柔軟に受け止めながら、長く愛着を持って住み続けられる住まいをつくること。
私たちは、そうした日々の積み重ねが、住まいの質を高めていくと考えています。
この考え方から生まれた住まい
これは「中二階が繋ぐ家」の小上がりスペースの側面に設けたロボット掃除機の基地。
奥にコンセントとし、上面が外せるようにし掃除をし易くしました。
小上がりの他の部分は床下収納となっています。


「T字路の家」のリビングに作った、芝生のようなグリーンのカーペット貼りとしたベンチ兼ごろ寝スペース。
その側面にぽっかり空いた穴がロボット掃除機の基地となっています。
この直進した方向が個室群につながる廊下となっており、基本的には発進後まず何かにぶつかるまでストレートに進みますので、まずまっすぐ進み突き当たる奥の個室群を掃除し、戻ってきてLDKを掃除し基地に戻るという、ロボット掃除機の合理的な動線も考えた位置になっています。

「里山の家」のロボット掃除機は、テレビ回り機器置き棚の下部を基地としています。
近年、テレビで見るものは配信が中心となり、昔のようにDVDやビデオなどの収納ボリュームが不要なお宅が増え、テレビ台が不要になってきています。
テレビ台はLDKにドンとあることで空間としても場所を取り狭くしてしまうことから、今までのようなどっしりとした「テレビ台+置き型テレビ」をやめ、「テレビ壁付け+最低限の機器(外付けHDやゲーム機)だけをしまえる小さなスペース」とすることが増えています。
その最低限の収納部に、一番下の段はホコリなどの関係で機械の棚にしづらいことからロボット掃除機スペースにして合理的にまとめるという考え方です。

「Re-fit」のロボット掃除機スペースも同様の考え方、こちらはリフォームですが、以前はテレビ台+テレビだったものを、ご提案しテレビ台をなくしてテレビ回り機器を壁面に収納、また床に平置きされていたロボット掃除機スペースを同スペースにまとめ、空間をより広く使えるように考えました。

「PARALLEL」のロボット掃除機置き場は壁面に埋め込まれたテレビ回り機器収納の下部をスリット状に浮かせた場所です。
猫と共に住まわれるこの住まいでは、ルンバに代表される吸引掃除専用機と、ブラーバに代表される吸引掃除専用機と床拭き掃除専用機を併用し設置されるということで、幅広くスペースを確保しました。
竣工後に撮影させていただいた写真なので、待機するルンバ君の顔が見えています。

Summary (English)
Robot vacuum cleaners have become an essential part of modern homes. Instead of treating them as an afterthought, we design dedicated spaces that are practical, discreet, and integrated into daily life. As lifestyles and technology continue to evolve, we believe homes should be flexible enough to embrace these changes while remaining beautiful and comfortable for years to come.
Last Updated:2026.07.28