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2023.11.23 ブログ

ロボット掃除機をどこに置く?


昨今の住宅空間にはほぼ必携となっている、ルンバやブラーバなどに代表されるロボット掃除機。
共働きなど合理的に家事を行いたい過程では時短のため、そうでなくとも改めて言うまでもなくとても便利な家電です。

しかしながら、家電として空間に置かれた場合の見栄えは決して美しいとは言えません。
本体の平面的な大きさもさておき、アダプター付きのコード、充電基地と、床に置かれるとゴチャッとして、スペースとしても蹴っ飛ばしてしまったり引っかかったり邪魔になります。
また、掃除器具なのですが往々にして頑張ってくれた結果、表面にもホコリをまとって帰ってくるのでいつも本体がきれいなものでもありません。

ただ、だからと言って目に入らない裏にしまっておいて、使うときに出してくるでは利便は半減、外出中に動いてくれるようにタイマーで自動で動いたり、スマートスピーカーでスタートさせたりと、人が触れなくても掃除をしてくれることを考えると、主要空間に接続し配置されている必要があります。

設計進める中で、何を部屋に置くかというお話をヒアリングする中で忘れがちなロボット掃除機ですが、上記のような理由から、置かれることを想定されている場合は先んじて場所を出来るだけ考えるようにしています。
ロボット掃除機にとって機能的で、それでいて日常の生活の中でも空間を邪魔せず在ってほしいという観点で検討しています。

今までの弊所設計事例の中で、ロボット掃除機の家、基地、置き場をピックアップしてみました。










これは「中二階が繋ぐ家」の小上がりスペースの側面に設けたロボット掃除機の基地。
奥にコンセントとし、上面が外せるようにし掃除をし易くしました。
小上がりの他の部分は床下収納となっています。


















T字路の家」のリビングに作った、芝生のようなグリーンのカーペット貼りとしたベンチ兼ごろ寝スペース。
その側面にぽっかり空いた穴がロボット掃除機の基地となっています。
この直進した方向が個室群につながる廊下となっており、基本的には発進後まず何かにぶつかるまでストレートに進みますので、まずまっすぐ進み突き当たる奥の個室群を掃除し、戻ってきてLDKを掃除し基地に戻るという、ロボット掃除機の合理的な動線も考えた位置になっています。














里山の家」のロボット掃除機は、テレビ回り機器置き棚の下部を基地としています。
近年、テレビで見るものは配信が中心となり、昔のようにDVDやビデオなどの収納ボリュームが不要なお宅が増え、テレビ台が不要になってきています。
テレビ台はLDKにドンとあることで空間としても場所を取り狭くしてしまうことから、今までのようなどっしりとした「テレビ台+置き型テレビ」をやめ、「テレビ壁付け+最低限の機器(外付けHDやゲーム機)だけをしまえる小さなスペース」とすることが増えています。
その最低限の収納部に、一番下の段はホコリなどの関係で機械の棚にしづらいことからロボット掃除機スペースにして合理的にまとめるという考え方です。














Re-fit」のロボット掃除機スペースも同様の考え方、こちらはリフォームですが、以前はテレビ台+テレビだったものを、ご提案しテレビ台をなくしてテレビ回り機器を壁面に収納、また床に平置きされていたロボット掃除機スペースを同スペースにまとめ、空間をより広く使えるように考えました。














PARALLEL」のロボット掃除機置き場は壁面に埋め込まれたテレビ回り機器収納の下部をスリット状に浮かせた場所です。
猫と共に住まわれるこの住まいでは、ルンバに代表される吸引掃除専用機と、ブラーバに代表される吸引掃除専用機と床拭き掃除専用機を併用し設置されるということで、幅広くスペースを確保しました。
竣工後に撮影させていただいた写真なので、待機するルンバ君の顔が見えています。





写真 酒井広司






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