おおにし内科・リウマチ科クリニック
- Ohnishi Internal Medicine and Rheumatology Clinic
- 信頼をかたちにする医療建築
おおにし内科・リウマチ科クリニック
| 竣工年 | 2026 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道札幌市 |
| 用途 | 診療所(内科・リウマチ科クリニック) |
| 建築面積 | 667.86㎡(202.03坪) |
| 延床面積 | 1340.92㎡(405.63坪) |
| 工法 | 新築/RCラーメン造二階建 |
| 構造設計 | 株式会社構建設計事務所 |
| 施工 | 石塚建設興業株式会社 |
| 機械設備 | 株式会社花森 |
| 電気設備 | 株式会社江栄電設 |
| 外部建具 | アルミカーテンウォール(ペアLow-eガラス) |
| 暖房/冷房 | 空気熱源ヒートポンプ式エアコン |
| 給湯 | 電気温水器・潜熱回収型ガス給湯器併用 |
| 換気 | 第3種 |
| 断熱 | 外断熱工法(外壁:ビーズ法ポリスチレンフォーム断熱材t65・屋根:ギルフォームt100・床下:押出法ポリスチレンフォームB-3t100) |
| 照明 | LED照明 |
| 省エネルギー性能 | BPI 0.54/BEI 0.80 |
| 写真 | 酒井 広司(グレイトーンフォトグラフス) |
清廉さと信頼をかたちにする
新札幌エリアで長年地域医療に携わってきた、おおにし内科・リウマチ科クリニックの移転新築計画です。札幌市エリアにおけるクリニック設計として、これまで培われてきた医療理念を継承しながら、患者様の利便性や院内環境の向上を目指し、新たな診療拠点を計画しました。
医療施設は地域のインフラであると同時に、人の不安や痛みに向き合う場所でもあります。そのため建築には、機能性だけではなく、安心感や信頼感を静かに伝える佇まいが求められます。
本計画では、過度な演出や装飾に頼ることなく、建築そのものが持つプロポーションと陰影によって医療施設としての品格を表現することを目指しました。
ファサードは水平・垂直の構成を明快に整理し、列柱による適度な分節を与えることで建物に落ち着いたリズムを生み出しています。整然とした構成がもたらす清廉な印象は、地域に開かれながらも安定感のある存在として街並みに佇みます。
北海道の気候に応える計画
積雪寒冷地である北海道では、来院時の快適性そのものが建築の質につながります。
本計画では一階を屋内駐車場、二階をクリニックとする構成を採用しました。雪や雨の影響を受けにくいアプローチを確保することで、患者様にとって利用しやすい環境を整えています。
また、待合空間は二階に配置し、自然光を取り込んだ明るく開放的な場としました。
診療前の不安や緊張が少しでも和らぎ、穏やかな気持ちで過ごしていただけるよう、光に包まれた環境づくりを大切にしています。
季節や時間によって移ろう自然光は、医療施設に求められる清潔感と落ち着きに加え、空間にやわらかな表情を与えています。
長く使い続けるための設計
医療施設は竣工時の完成度だけでなく、変化する医療環境に対応しながら長く使い続けられることが重要です。
内部床には乾式二重床を採用しました。将来的な設備更新やレイアウト変更に柔軟に対応できるメンテナンス性と拡張性を確保するとともに、適度な柔らかさを持つ床構成とすることで、患者様や長時間働くスタッフの足腰への負担軽減にも配慮しています。
また、外断熱工法を採用することで、高い断熱性能と省エネルギー性能を実現しました。快適な温熱環境は患者様やスタッフの快適性を支えるだけでなく、建築を長く使い続けるための基盤にもなります。
医療施設は華やかさを競う建築ではありません。必要とされるのは、地域に根差し、人々の暮らしを静かに支え続けることです。
建築は医療行為そのものを行うことはできません。しかし、人を迎え入れ、不安を和らげ、安心して帰っていただくための環境をつくることはできます。
この建築では、清廉さ、合理性、そして信頼感を積み重ねることで、地域医療を支える器として、これからも長く人々に寄り添い続ける存在となることを目指しました。
Architecture expressing trust through clarity and proportion.
A clinic designed to support people through comfort, dignity, and longevity.
Written.2026.06.19
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