一級建築士事務所 富谷洋介建築設計 一級建築士事務所 富谷洋介建築設計

最新情報News

2023.10.20 ブログ

小屋裏物置・ロフトの設計


「ロフト」・「小屋裏物置」と言葉が弊所の設計事例でよく出てきます。
設計の際クライアント様からもよくご質問がありますので、具体的にどのようなものかご紹介したいと思います。

小屋裏収納は、最上階天井と屋根の間、下階の天井と上階の床の間、1F床下空間、などに設けられるもので、基本的には「収納」のための空間です。

ロフトと言われるものは、小屋裏物置の一種であり、小屋裏物置の内、階の途中に設けられるものを言います。
小屋裏物置の法律を利用して作られたロフトを収納以外の「寝室」などに使用するというのは上記の理由で法令違反になります。
ただ、ロフトという言葉も一般には広義で使われますので、実際には小屋裏物置の法律を使用せず単に階を上がったメゾネット状の部屋を指す場合もありますし、家具としての「ロフト」ベッドもありますので言葉としてはややこしい所です。

・天井高を1.4m以下
・床面積を接する階の2分の1未満

その他いくつかの法的基準を守る必要がありますが
・本来デッドスペースとなる余剰空間の利用であるため収納ボリュームの確保として合理的である
・階に算入されない、また延床面積に算入されない為、固定資産税の課税対象にならない
等のメリットがあります。

さらには、計画によっては目的は収納スペースではあるけれど、それ以外の空間と呼応させる事で空間に変化をつけて見せたり、スキップフロアの空間と連動させて層が重ね奥行を感じる不思議なワクワクする場所を感じさせることもできます。
法規、構造を有効に使い、合理的に無駄なく、より豊かな場所を設計できるようにいつも検討しています。

色々な造りの小屋裏物置の弊所設計実例をピックアップしてみました。










●切妻屋根の屋根裏空間を利用した三角空間~「里山の家」(写真 酒井広司)
切妻屋根なりに勾配天井とした頂点部分、天井より上の部分を小屋裏物置としています。
ルーバー状の木が梯子になっていて、上ると切妻屋根の形そのままの不思議な空間が広がります。
なんだか瞑想できそうな空間です…。






















●子供部屋の棚を階段にして登ると秘密のロフト~「森窓の家
個室の段々に作られた固定棚、これをステップに上ると、実は上がロフト状の造りの小屋裏物置に。
忍者屋敷の秘密の屋根裏部屋のような造り、子供も大好きですよね。


















●階段室の上部デッドスペースを利用した小屋裏物置~「White Prism
階段上部は、天井が高いのに通常はデッドスペースになりがちです。
その空間を利用して、2階からさらに半階上がる小屋裏物置スペースです。手すり壁の厚さも文庫本用の本棚として無駄なく収納となっています。


















●平屋建て部分と2階建て部分の高さの差にできた屋根裏を横から収納利用~「稜線の家
プラン上、2階建て部分と平屋部分があり、勾配屋根で結んでいるためその差部分に小屋裏空間ができたため、小屋裏物置として活用しています。
横から入る形の小屋裏物置は使い易い収納空間です。


























●敷地高低差を吸収する為の基礎高部分を利用した床下収納~「段差を繋ぐ家
高低差のある敷地、基礎を一部高基礎にすることで1階フロアをフラットにしていますが、高基礎部分を収納として利用。
ちょっと分かりづらいですが、写真、階段を下った左側の壁に開口があります。
天井高さの1.4m制限はありますが、玄関横のボリュームあるコンクリート壁の収納は、ハードに使える使いでの良いスペースです。










記事一覧へ