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2026.7.25 住まいを考えるブログ

住まいを考える|32|しっかり話を聞くことも、設計です


家づくりというと、間取りを考えたり、図面を描いたりすることが設計だと思われるかもしれません。
もちろん、それも設計者の大切な仕事です。
しかし、私たちはそれ以上に大切な時間があると考えています。
それは、お客様のお話をじっくり聞く時間です。
富谷洋介建築設計では、一回の打ち合わせが数時間になることもあります。
打ち合わせ回数も10回を超えることは珍しくありません。
家づくりに時間を掛けているというより、お客様を理解することに時間を掛けているのです。









「お任せします」が、一番困ります





設計事務所へ相談すると、
「富谷さんに全てお任せします!」
そう言っていただくことがあります。
信頼していただけることは、本当に嬉しいことです。
しかし実は、私はその言葉が一番困ります。
私は、自分の好きな建物をつくりたいわけではありません。
そのご家族にとって、最も価値ある住まいをつくりたいのです。
そのためには、ご家族のことを知らなければ設計はできません。
どんな暮らしをしたいのか。
どんな時間を幸せだと感じるのか。
何を大切にしているのか。
それを理解しないまま図面を描くことは、私にはできないのです。





設計しているのは、図面ではなく「暮らし」です





打ち合わせでは、ご要望を伺います。
でも、本当に知りたいのは、その言葉の奥にある想いです。
「リビングを広くしたい。」
「明るい家にしたい。」
「収納を多くしたい。」
最初はそんなご要望から始まります。
でも、話を重ねるうちに、
家族で食事を楽しみたい。
子どもを見守りながら料理がしたい。
休日は静かな時間を過ごしたい。
そんな、本当に大切にしている価値が少しずつ見えてきます。
設計とは、ご要望をそのまま形にする仕事ではありません。
その奥にある価値を読み取り、建築という形へ翻訳する仕事だと考えています。





図面ではなく、人を見ています





打ち合わせでは、お話の内容だけを聞いているわけではありません。
ご夫婦がお互いの話を聞いている表情。
趣味を語っている時の目の輝き。
少し言いづらそうにしていること。
お打ち合わせ中の家族同士の距離感や会話の空気。
そうした小さな変化も、私にとっては大切な設計の材料です。
例えば、ご主人が趣味の部屋について熱心に話している横で、奥様が少し複雑そうな表情をされることがあります。
そんな時は、
「このまま進めると、きっと違う。」
そう感じます。
図面だけではなく、ご家族全員が納得できる答えを探したいからです。





家づくりは、きれいごとだけではありません





家づくりでは、楽しい話ばかりではありません。
予算のこと。
住宅ローンのこと。
ご家族それぞれの希望の違い。
土地や法律、近隣環境のこと。
時には、ご希望をそのままお勧めできないこともあります。
そんな時も、都合の良いことだけをお伝えすることはありません。
「では、どうすればもっと良い答えになるだろう。」
と、一緒に考えます。
家づくりとは、複雑に絡み合った条件の中から、そのご家族にとって最良の答えを探すことだと思っています。





時間を掛ける価値があると考えています





私たちとの家づくりは、決して早くはありません。
「部屋数はこれで、設備はこれで。」
そんなふうに短時間で決めて家を建てたい方には、向いていないかもしれません。
ですが、私たちは、それで良いと思っています。
家を建てる期間は、人生の中ではほんの数か月です。
しかし、その家で暮らす時間は何十年にもなります。
お子さんへ住み継がれることもあるでしょう。
そう考えると、住まいの価値は部屋数や設備の仕様だけでは語れません。
そのご家族が、これからどんな時間を積み重ねていくのか。
そこまで考える時間には、十分価値があると信じています。





一緒に山を越えるような家づくり





長い時間を掛けて話し合い、ともに悩みながら住まいをつくっていくと、お客様との間には特別な信頼関係が生まれます。
友人とは少し違います。
でも、ご家族のこと、お金のこと、将来のことまで一緒に考え、同じ山を越えてきた仲間のような感覚があります。
実際に設計させていただいたお客様から、
「家づくりの時間が本当に楽しかった。」
「もしもう一度建てられるなら、またもう一回建てたい。」
そんな言葉をいただくことがあります。
家づくりは、一生に一度のことがほとんどです。
だからこそ、その言葉は私にとって何より嬉しい言葉です。
完成した後に見学会へ来てくださり、
「一緒に家を考えたあの頃を思い出しました。」
と笑いながら話してくださることもあります。
建物だけではなく、その過程も人生の思い出になっている。
それも設計事務所との家づくりの大きな価値なのだと思います。









図面を描く前から、設計は始まっています





設計とは、図面を描くだけの仕事ではありません。
住む人を理解し、その人にとって本当に価値ある暮らしを見つける仕事です。
そのために、私たちは急ぎませんし、時間を惜しみません。
家を建てる時間は数か月でも、その家で暮らす時間は何十年にもなるからです。
だから私たちは、話を聞くことを設計の一部ではなく、設計そのものだと考えています。










English Summary
Architectural design begins long before drawing plans. We believe careful listening is an essential part of the design process. Through in-depth conversations, we seek to understand each family’s values, relationships, and future lifestyle, transforming those insights into a home that truly fits the people who will live there.
Last Updated: 2026.07.25










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