一級建築士事務所 富谷洋介建築設計 一級建築士事務所 富谷洋介建築設計

最新情報News

2026.9.1 住まいを考えるブログ

住まいを考える|45|まだ何も決まっていないときの、建築家への相談。


「家を建てたいけれど、まだ土地も決まっていない」
「予算も、なんとなくこのくらいかなという程度」
「どんな家にしたいのか、うまく言葉にできない」
そんな段階で建築家に相談してもいいのでしょうか、と聞かれることがあります。

もちろん、大丈夫です。

実際、初めてご相談に来られる方の多くは、すべてが決まっているわけではありません。

家を建てたい時期がなんとなくあり、住宅ローンについて少し調べて、土地と建物を合わせてこのくらいかな、という予算感がある。

そして、
「こんな暮らしができたらいいな」
という、まだぼんやりとしたイメージがある。
そのくらいから、家づくりは始められます。









決まっていないことを、一緒に整理する





家づくりには、土地、建物、予算、広さ、性能など、たくさんのことが関係します。
でも、それらを自分たちですべて決めてから相談する必要はありません。
土地にどのくらいの予算をかければ、建物にどのくらい残せるのか。
希望する暮らしには、どのくらいの広さが必要なのか。
その建物なら、およそどのくらいの費用を考えておけばよいのか。
一つずつ整理しながら、家づくり全体の輪郭をつくっていく。
まだ決まっていないことを一緒に考えるところから、設計は始められます。





土地が決まっていなくてもいい





私たちは、土地が決まる前からご相談をいただくことも多くあります。
希望するエリアや通勤、学校、周辺環境などを聞きながら土地を探し、候補が見つかれば一緒に現地を見ることもあります。
その土地にどのくらいの建物が建てられそうか。
高低差や形を設計に活かせそうか。
造成などに余計な費用がかからないか。
そして、その土地を買ったとき、建物にどのくらいの予算を残せるのか。
土地と建物を別々ではなく、一緒に考える。
土地を決める前だからこそ、建築家に相談できることがあります。





要望も、間取りも、決まっていなくていい





何畳のリビングが欲しい、子ども部屋は何室必要、といったところまで決めていただく必要もありません。
家族で料理をする時間が好き。
外を眺めながら過ごしたい。
一人になれる場所も欲しい。
友人がよく遊びに来る。
そんな暮らしの話を聞かせてもらえれば、そこから設計を考えることができます。
Instagramや雑誌で見つけた、好きな家の写真でも構いません。
その家を真似するのではなく、
その写真の、何に心が動いたのか。
光なのか、素材なのか、景色なのか、空間の広がりなのか。
そうした感覚も、その方が大切にしているものを知る手がかりになります。

間取りも、考えてこなくて大丈夫です。
今どんな暮らしをしているのか。家族はどんな距離感で過ごしたいのか。今の住まいで困っていることは何なのか。
そうした話を聞きながら、一から考えていきます。
間取りを考えるのは、設計者の仕事です。









逆に、家づくりが進んでいても遅くない





以前、ある工務店との計画が工事契約の直前まで進みながら、
「希望は入っているけれど、どうしても何か納得できない」
と相談に来られた方がいました。
計画を見ながらお話しすると、暮らし方や光、空間のつながり、土地との関係など、まだ考えられることがありました。
その方は最終的に、それまでの計画を取りやめ、私たちと改めて家づくりを始めることになりました。
これは少し極端な例ですが、逆に言えば、家づくりには「相談するには早すぎる」も「もう遅すぎる」も、あまりないのだと思います。
何も決まっていない段階でもいい。
すでに話が進んでいて、何か引っかかっているという相談でもいい。
一生に何度もない家づくりだからこそ、納得できないまま先へ進む必要はありません。





相談することと、依頼することは別です





一度も話したことがなく、どんな考え方をする人なのか、どんなふうに設計を進めるのかも分からない。
その状態で、いきなり家づくりを任せる方が難しいと思います。
まず話をしてみる。
ご家族のことや、これからの暮らしについて話してみる。
こちらの考え方や仕事の進め方も聞いていただく。
そのうえで、
「この人と一緒に家を考えてみたい」
と思っていただけたら、そこから次へ進めばいい。
ご相談いただいたからといって、設計をご依頼いただかなければならないわけではありません。





相談するのに、「ちょうどいい段階」はありません





土地が決まっていない状態から一緒に探し、気に入った土地が見つかるまで長い時間をかけた方もいます。
反対に、何も決まっていないところから、条件が次々と整い、すぐに設計が始まった方もいます。
家づくりの進み方は、ご家族によって違います。
土地が決まったら。
予算が決まったら。
要望がまとまったら。
そこまで待つ必要はありません。
まだ何も決まっていなくても、建築家に相談していい。
決まっていないことを一緒に整理し、何を大切にして家をつくるのかを探していく。
それも、家づくりの始め方のひとつです。





家づくりのご相談





「家を建てたいと思い始めたけれど、何から始めればいいのか分からない」
そのくらいの段階でも大丈夫です。
今決まっていること、まだ決まっていないこと。そのままで、一度お話を聞かせてください。
ご相談・お問い合わせはこちら





住まいを考える





「住まいを考える」は、住まいづくりにまつわる考え方や設計の工夫を、一つひとつテーマごとにまとめたシリーズです。
▶ 「住まいを考える」一覧はこちら





English Summary





You Can Talk to an Architect Before Everything Is Decided
You do not need to have land, a detailed budget, a floor plan, or a complete list of requirements before talking to an architect.
We can begin by discussing how you want to live and then organize the land, budget, size, performance, and other conditions together. Even a vague idea or a photograph of a home you like can become an important clue for design.
There is no single “right time” to consult an architect. Working through what has not yet been decided can itself be the beginning of the design process.





Last Updated: 2026.08.27


記事一覧へ