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2026.8.5 住まいを考えるブログ

住まいを考える|25|猫も、家族として設計する。


猫と暮らす住まいというと、どんな家を思い浮かべるでしょうか。
キャットウォーク。
キャットタワー。
滑りにくい床。
猫トイレの場所。
最近では、ペット向けの設備も数多く見られるようになりました。
もちろん、それらも必要です。
でも、それだけで猫にとって心地よい住まいになるのでしょうか。
私たちは、少し違うところから考え始めました。





先入観から答えを探さない





猫と暮らす住まいだから、猫のための設備を付ける。
当然そんな考え方もあると思います。
でも、それでは人の暮らしが中心にあり、その横に猫のための設備を追加しているだけかもしれません。
私たちが考えたかったのは、そうではありません。
人も。猫も。この家で毎日を過ごす住まい手です。
だから、どちらかを優先するのではなく、それぞれがどんな暮らしをしたいのかを一緒に考えることから計画が始まります。





正解は、一つではありません





猫は高い場所が好きです。
日向ぼっこも好きです。
静かな場所で休む時間もあれば、家族の気配を感じながら過ごしたい時間もあります。
だからといって、「キャットタワーがあれば良い」という話でもありません。
高い場所を自由に歩けること。
好きな部屋へ行けること。
家族の様子を眺められること。
安心して落ち着ける場所があること。
猫にとって心地よい暮らし方も、それぞれ違います。
大切なのは、「猫と暮らす家」という先入観から考えることではなく、この家族と、この猫にとって何が自然なのかを一緒に考えることだと思っています。









一つの工夫に、一つ以上の役割を





この住まいでは、キッチンを透明なガラスで仕切りました。
猫はキッチンへ入れません。
でも、光も声も通ります。
視線も通ります。
家族の気配も伝わります。
ガラスは境界をつくりながら、同時につながりも生み出しています。
私たちは、素材や空間を一つの用途だけで考えることはあまりありません。
一つの工夫が、いくつもの役割を持つ。
そんな積み重ねが、無理のない自然な住まいにつながると考えています。









この考え方から生まれた住まい





PARALLEL
この住まいでは、人と猫のどちらかに合わせるのではなく、それぞれが自然に暮らせる環境を目指しました。
吹抜けを巡るキャットウォークは、各個室や窓辺へつながり、猫が自由に家の中を移動できます。
窓台は少し広く取り、日向ぼっこや外を眺めるお気に入りの居場所となりました。
キッチンは透明なガラスで仕切ることで、目線や光はつながりながらも、猫は入れない計画としています。
猫ルームには食事、水飲み場、トイレをまとめ、換気計画まで含めて快適な環境を整えました。
また、高断熱・高気密の住まいは、一年を通して室内環境が安定します。
それは人にとってだけではなく、多くの時間を室内で過ごす猫にとっても、穏やかで快適な住環境につながっています。





本当の注文住宅とは





「注文」住宅というと、間取りを自由に決めること。
キッチンや設備を自由に選べること。
そんなイメージを持たれることがあります。
もちろん、それも注文住宅の魅力です。
でも、私たちが考える設計で大事なポイントは、そのもう一歩手前にあります。
どんな暮らしをしたいのか。
何を心地よいと感じるのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
その価値観を一緒に整理し、その暮らしに必要なものを一つずつ組み立てていくこと。
猫と暮らす住まいも、その考え方は変わりません。
「猫と暮らす家」という先入観から始めるのではなく、
この家族と、この猫にとって、どんな暮らしが自然なのか。
その答えを一緒に探していくこと。
私たちは、それが設計という仕事だと考えています。










住まいを考える





「住まいを考える」は、住まいづくりにまつわる考え方や設計の工夫を、一つひとつテーマごとにまとめたシリーズです。
「住まいを考える」一覧はこちら










English Summary
Designing a home for cats is not about adding pet features. It begins by understanding how both people and cats want to live together. Rather than relying on assumptions, we believe good design finds the most natural balance for every family member, creating a home where everyone can live comfortably.
Last Updated:2026.08.03


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