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2026.8.12 住まいを考えるブログ

住まいを考える|18|設計監理とは、何をしているのでしょうか。


家づくりを調べていると、「設計監理」という言葉を耳にしたことがあると思います。
建築士の仕事として書かれていることも多いのですが、「実際には何をしているの?」と思われる方も少なくありません。
図面を描くことが建築士の仕事と思われがちですが、私たちの仕事は図面が完成したところでは終わりません。
建物が完成するまで、そして完成した後も、住まいづくりに関わり続けることも、大切な役割の一つです。





設計と監理は、それぞれ別の仕事です





設計は、ご家族の暮らし方や敷地条件、ご要望を整理し、住まいの形を考える仕事です。
一方、設計監理は、その設計図どおりに工事が進められているかを確認する仕事です。
工事が適切に進んでいるか。
仕様や寸法が図面どおりになっているか。
法令やメーカーの施工基準が守られているか。
現場から相談があれば、設計意図を踏まえながら判断し、必要に応じて解決策を考える。
これが設計監理の基本となる役割です。





お施主様の立場で住まいを見守る





設計監理は、施工会社を疑うための仕事ではありません。
建築は、多くの職人さんや専門業者が関わり、何千、何万という工程を積み重ねながら完成していきます。
どれだけ経験豊富な施工会社でも、人がつくる以上、小さな確認や判断が必要になる場面は必ずあります。
だからこそ、設計者がお施主様の立場に立ち、第三者として確認していくことに意味があります。
設計・施工・監理。
それぞれが専門性を持ち、役割を分担しながら、一つの住まいを支えています。





図面どおりにつくることが、ゴールではありません





私たちは、設計監理にはもう一つ大切な役割があると考えています。
それは、建物をより良くしていくことです。
建物は、実際に柱が立ち、壁ができ、空間になって初めて見えてくるものがあります。
図面では気付かなかった光の入り方。
空間全体のバランス。
素材の見え方。
細かなディテール。
「このラインをそろえた方が、空間全体が美しい。」
「この厚みなら、もっと軽やかに感じられる。」
「実際の自然光の中では、この色の方が落ち着く。」
そうしたことは、現場で空間を体感しながら、現場監督さんや職人さんと一緒に考え、一つひとつ調整していきます。
図面どおりにつくることが目的ではありません。
完成した建物が、本当に心地よい空間になること。
そこまで考えることも、設計監理の大切な役割だと考えています。









私たちが設計監理を大切にする理由





以前、施工会社さんからご依頼をいただき、施主様とのお打ち合わせと設計だけを担当し、工事監理には関わらなかった建物がありました。
完成後に拝見したとき、お施主様はとても満足されていました。
それは設計者として、本当にうれしいことでした。
一方で、私自身は少し複雑な思いもありました。
設計の段階で大切にしていたプロポーション。
質感。
細かなディテール。
そうした設計意図が、現場で少しずつ変わり、思い描いていた空間とは異なる印象になっていたからです。
もちろん、それは施工会社に問題があったということではありません。
現場では、施工性や工期、予算など、さまざまな判断が求められます。
だからこそ、その建物の考え方を最も理解している設計者が最後まで関わることには、大きな意味があります。
お施主様が何を大切にされていたのか。
なぜ、この寸法だったのか。
なぜ、この素材を選んだのか。
その背景まで理解している人間が完成まで伴走することで、建物の完成度はさらに高められる。
私たちは、そのためにも設計監理を行っています。









この考え方から生まれた住まい





宮の沢の家
建築家自身が暮らす住まいとして設計・監理を行い、光や温熱環境、細かなディテールまで、自ら暮らしながら検証を続けている住まいです。
集光の家
自然光を丁寧に取り込み、空間全体のバランスや細かな納まりまで現場で確認しながら、一つひとつ完成度を高めていった住まいです。
おおにし内科・リウマチ科クリニック
医療施設ならではの設備や法規、施工精度が求められる中、設計意図を現場で一つひとつ確認しながら完成へ導いた建築です。





建築は、人と人でつくられていきます





図面は、建築の完成形ではありません。
そこには、「こんな暮らしになってほしい」という、お施主様と設計者が一緒に積み重ねてきた思いや考えが描かれています。
その思いを現場で受け取り、職人さんや施工会社と共有しながら、一つひとつ建物へと受け渡していく。
必要があれば立ち止まり、より良い方法を考える。
その積み重ねが、住まいの完成度を少しずつ高めていきます。
設計監理とは、図面を確認するだけの仕事ではありません。
お施主様の思いを、最後まで見失うことなく建築へつないでいく仕事。
私たちは、そのように考えています。










住まいを考える





「住まいを考える」は、住まいづくりにまつわる考え方や設計の工夫を、一つひとつテーマごとにまとめたシリーズです。
「住まいを考える」一覧はこちら










English Summary
Architectural supervision is more than checking construction drawings. It is the process of protecting the client’s vision throughout construction, ensuring quality, solving challenges on site, and refining the design as the building takes shape. We believe thoughtful supervision is essential to transforming a design into a truly lasting piece of architecture.
Last Updated:2026.08.04


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