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2026.9.22 住まいを考えるブログ

住まいを考える|47|家づくりの途中で、担当する人が変わらないということ。


家づくりでは、たくさんの話をします。

どんな場所で食事をしたいか。
休日をどう過ごしているか。
今の住まいで困っていること。
好きなものと、あまり好きではないもの。

すぐに間取りにつながる話もあれば、そのときには何につながるのか分からない話もあります。

そして家づくりは、最初の相談から完成まで、長い時間をかけて進んでいきます。

その間、誰と話し、誰が設計し、誰が現場を見るのか。





これは、家そのものと同じくらい大切なことかもしれません。

私たちの事務所では、初回の相談から建築家本人が直接お話を伺い、設計、工事中の監理、そして完成後の相談まで、一貫してその住まいに関わります。

営業担当を介して設計者に要望を伝えるのではなく、設計する本人と直接相談しながら、家づくりを進めていきます。





「3LDK、アイランドキッチン」というメモだけでは、家はつくれない。





家づくりの要望を、言葉にして整理することはできます。

「3LDK」
「アイランドキッチン」
「明るいリビング」
「収納を多めに」

けれど、そのメモだけでは、その家族の家はつくれません。

同じ「アイランドキッチンがほしい」という言葉でも、その理由は人によって違います。

料理をしながら家族と話したいのかもしれない。

子どもの様子を見ながら料理をしたいのかもしれない。

友人を招いて、一緒に料理をする時間が好きなのかもしれません。

理由をたどっていけば、本当に必要なのは「アイランドキッチン」という形そのものではない可能性だってあります。

大切なのは、要望そのものだけではなく、なぜそう思ったのか。

その少し奥にあるものです。

そして、設計で知りたいことは、さらにその奥にあります。

なぜ、家を建てようと思ったのか。

なぜ、この土地に惹かれたのか。

これから、この家でどんな時間を過ごしたいのか。





家づくりで出てくる一つひとつの要望の背景には、その家族にとっての理由があります。

「大きな窓がほしい」という一言にも、ただ明るい部屋がほしいのではなく、毎日見ていたい景色があるのかもしれません。

「家族が集まるリビングがほしい」という言葉にも、これまでの暮らしの記憶や、これからつくりたい家族の時間があるのかもしれません。

私は、その背景を知りながら設計することに意味があると思っています。





設計の材料になるのは、言葉だけではありません。





打ち合わせをしていると、言葉には残らないことがたくさんあります。

家族の誰かが話したときの、ほかの人の反応。

何気ない会話の中で感じる、それぞれの距離感。

少し迷っていること。

話しているうちに、最初は要望になかったことが、実は大切なのだと分かってくること。

そうした家族の空気や、わずかな機微も、私にとっては設計を考えるための大切な要素です。

図面に描かれる一本の線は、単なる形ではありません。

敷地を見て、家族と話し、何を大切にしているのかを考え、その先に一本の線を引く。

同じ線でも、そこに至るまでに聞いた話や感じたことによって、その意味は変わります。

話を聞いた人が、その想いを持ったまま、図面を描く。

だから、最初に話を聞いた人が、そのまま設計することには意味があると思っています。

担当する人が変わらなければ、これまで話したことを何度も説明し直さなくていい。

でも、理由はそれだけではありません。

「3LDK、アイランドキッチン」という要望を引き継ぐことと、その家族の暮らしを引き継ぐことは、同じではない。

言葉になった要望だけではなく、その言葉が生まれた背景や、打ち合わせの時間の中で感じたことまで知っている人が、自分で図面を描く。

それが、私たちが直接お話を伺う理由です。









初回相談から、設計する建築家本人が直接担当します。





家づくりの体制は、会社によってさまざまです。

相談する人、設計する人、工事を担当する人が、それぞれ専門の担当者として分かれていることもあります。

もちろん、分業には分業の良さがあります。

一方で、住宅会社を選ぶことと、実際に自分たちの家を設計する人を選ぶことは、必ずしも同じではありません。

私たちのような小さな設計事務所では、初めて相談した相手が、その家を設計する建築家本人です。

その人と話し、その人が考え、その人が図面を描く。

「この会社に頼む」だけではなく、「この人と家を考える」。

それは、建築家との家づくりのひとつの特徴だと思います。

私たちの事務所には、あらかじめ用意された住宅の型もありません。

既製のプランを敷地に当てはめるのではなく、敷地や周囲の環境、光や景色、北海道の気候、予算、そして家族の暮らしから、一邸ずつ考えます。

土地がまだ決まっていなくても。

間取りや要望がまだ固まっていなくても。

最初から答えを用意しておく必要はありません。

このあたりについては、「住まいを考える|45|まだ何も決まっていなくても、建築家に相談していい。」でも詳しく書いています。





→ 45「まだ何も決まっていなくても、建築家に相談していい。」





図面ができても、担当する人は変わりません。









設計がまとまり、工事が始まると、図面だったものが実際の空間になっていきます。

その現場を見るのも、これまで打ち合わせをしてきた同じ建築家です。

なぜ、この窓をこの位置にしたのか。

なぜ、この寸法なのか。

この家族にとって、何を大切にして決めたのか。

図面には、寸法や材料を描くことができます。

けれど、その一本の線をなぜそこに引いたのかまで、すべてを書き込めるわけではありません。

設計した本人だから分かることがあります。

工事が始まったからといって、そこで別の担当者に家づくりを引き渡すわけではありません。

実際に建物をつくるのは、施工を担当する工務店です。

設計者は施工者と話し合いながら、図面に描いたことや設計の意図が、実際の建築としてきちんと形になっているかを確認していきます。

最初の打ち合わせで聞いた話が、最後には一本の線や、ひとつの窓や、ひとつの居場所になっている。

そのつながりを最後まで見届けるのも、設計者の仕事だと思っています。

工事中に設計者が何を確認しているのかについては、「住まいを考える|18|設計監理とは、何をしているのでしょうか。」で詳しく紹介しています。

18|設計監理とは、何をしているのでしょうか。





家が完成したあとも、お付き合いは続きます。





家が完成し、鍵をお渡しする。

でも、そこで関係が終わるわけではありません。

むしろ、その日から実際の暮らしが始まります。

春、夏、秋、冬。

北海道で季節をひと巡りしてみて、初めて分かることもあります。

工務店が行う一年点検などの定期的なメンテナンスにも、必要に応じて設計者として同行します。

施工した人、設計した人、そこで暮らす人。

それぞれの立場から建物の状態を確認しながら、その後の住まいを見ていきます。

そして年月が経てば、家族の暮らしも変わります。

子どもが成長する。
働き方が変わる。
暮らしに合わせて、少し家に手を加えたくなる。

そんなときにも、最初にその家を設計した建築家として相談を受けることができます。





最初に相談した人が、その後も家のことを知っている。









初めて相談したとき。

土地や暮らしについて話したとき。

図面を描いているとき。

工事現場に立っているとき。

そして、そこでの暮らしが始まってからも。

同じ建築家が、その家のことを知っています。

最初に話したことも。

途中で変わったことも。

迷ったことも。

なぜ、この土地に惹かれたのかも。

なぜ、家を建てようと思ったのかも。

そして、なぜその家がその形になったのかも。

家をつくるためだけではなく、その後の暮らしについても相談できる。

住まいのパートナーとして、長くお付き合いしていく。

それが、私たちが考える家づくりです。

家を建てようと思っているけれど、まだ土地も決まっていない。

自分たちがどんな家を求めているのかも、うまく言葉にできない。

そんな段階でも構いません。

最初の相談から、設計する建築家本人がお話を伺います。

Contact|家づくりの相談について










実例|一つひとつの家族と土地から考えた住まい





森へひらく家
北側に広がる森と傾斜地という条件を読み、床の高低差と光の取り込み方から、その土地だから生まれる住まいを考えました。

Works|森へひらく家

空際の家
農地に囲まれた土地で、「この風景とともに暮らしたい」という住まい手の言葉から、農地の水平線と夕景を暮らしへ取り込む住まいを考えました。

Works|空際の家

森窓の家
森との距離、窓から見える景色、家族それぞれの居場所を重ねながら、敷地と暮らしの関係から一邸の住まいを組み立てています。

Works|森窓の家










住まいを考える





家づくりについて、土地、光、窓、断熱、雪、予算、暮らし方、設計の進め方など、日々の設計を通して考えていることをテーマごとにまとめています。





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English





The Same Architect, From the First Conversation to the Completed Home

Designing a home begins with much more than a list of rooms or requirements.
“Three bedrooms.”
“An island kitchen.”
“A bright living room.”
These words are useful, but they do not fully describe how a family wants to live.

Behind every request is a reason: how family members spend time together, what they value in everyday life, why they chose a particular site, and what kind of future they imagine there.

At Yosuke Tomiya Architectural Design, the architect who first listens to these stories is also the person who develops the design, draws the plans, oversees the construction process, and remains available after completion.

This continuity matters because not everything important in a design can be written down.

The atmosphere of a conversation, a moment of hesitation, the way family members respond to an idea, and the reasons behind a request can all become part of the design.

A drawing may show the position of a window, but it cannot completely explain why that window belongs there.

We believe there is value in having the person who heard the story draw the line — and then follow that line all the way through construction.

For us, designing a home is not simply about delivering a building.

It is about thinking about a home together with the people who will live there, and continuing that relationship over time.

Last Updated:2026.09.15


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